子どもの「今しかない瞬間」を、Claudeに記録してもらう仕組みをつくった
子どもの成長は、写真には残らない部分のほうが多い。「今日こんなことを言った」「初めてこれができた」——その場では一生忘れないと思うのに、1週間も経つと細部が溶けていく。
長女が3歳、長男が1歳。いちばん変化が速くて、いちばん戻ってこない時期だ。だからこの「今しかない瞬間」を取りこぼさないための仕組みを自分で組んだ。名付けて kid_moments。
やっていることはシンプル
仕組みはこうだ。
- 何か残したい瞬間があったら、AI(Claude)に話しかける
- Claudeがそれを短い記録の形に整えて、Googleスプレッドシートに1行追加する
- 月初になると、その月のハイライトが家族用のSlackチャンネルに自動で投稿される
入力は「ハンズフリーで一言しゃべるだけ」に近い。フォームを開いて、日付を選んで、カテゴリを選んで……という手間が一切ない。子育て中にいちばん足りないのは「ちゃんと記録する余裕」なので、そこをゼロにしたかった。
記録には「🌱 はじめて」「📏 成長」「😄 エピソード」みたいな軽いタグだけ付けている。あとから読み返すときに、成長の節目と笑い話を区別できればそれでいい。
実際に溜まっている記録
たとえば直近1か月ぶんを見るとこんな感じだ。
- 2026-06-01|長女|🌱 はじめて — 初めての水泳体験。先生とマンツーマンで、段階を踏んで少しずつ水に慣れていった。パパは2階から見学。怖がらずに一歩ずつ進む姿が感動的だった
- 2026-06-02|長女|📏 成長 — 保育園で初めて、おむつを濡らさずに過ごせた。おまるでおしっこができた。トイレトレーニングの大きな一歩
- 2026-06-12|長女|😄 エピソード — サファリパークのふれあいエリアで餌やりにハマり、どの動物にも餌をあげた。馬車で馬に柄杓を取り上げられて大泣き(かわいかった)
- 2026-06-12|長男|🌱 はじめて — 気楽坊で初めての大浴場。泣きっぱなしでシャワーだけで退散
- 2026-06-13|長女|📏 成長 — 樹空の森でパパと泥団子遊び。おむつが取れたばかりで、この日はおもらしも
サファリ+時之栖の旅の記録に書いた「馬に柄杓を取られて大泣き」も、ちゃんとこの仕組みに残っている。旅行記のほうは家族の外向きの記録、kid_momentsはもっと私的で生な記録、と役割が分かれている。
文字にして並べると、たった2週間でも「はじめて」がいくつも起きていることがわかる。記録していなければ、水泳もトイトレも、来年にはきっと「いつのまにかできてた」になっていたはずだ。
月初にハイライトが届く
ただ記録を溜めるだけだと、結局あとで見返さない。これは家計簿でも投資記録でも同じで、溜める仕組みと、振り返る仕組みはセットでないと続かない。
そこで月初に、前の月のハイライトを子どもごとにまとめてSlackに自動投稿するようにした。月のはじめに「先月の長女・長男はこんな感じでした」が勝手に流れてくる。これが地味にいい。妻と「これ覚えてる?」と話すきっかけになるし、自分でも「ああ、先月はこんな顔をしていたな」と一拍おいて思い出せる。
なぜ自分で作るのか
子育て記録アプリは世の中にいくらでもある。それでも自分で組んだのは、
- 入力の摩擦を限界まで減らしたかった(しゃべるだけ)
- データが自分のスプレッドシートに素のまま残る(サービス終了で消えない)
- 達成記録ロガーなど、すでに動かしている自作ツール群と同じ仕組みに乗せられる
から。実はこのkid_momentsは、自分用に作っていた「日々の達成を記録するロガー」の子ども版だ。大人の自分にやって続いたことを、そのまま子ども向けに転用しただけ。仕組みを一度作ると横展開が効く、というのは副業のツール開発でも子育てでも変わらない。
記録メモ: 凝った機能はいらない。続く記録の条件は「入力が一瞬」「振り返りが自動」の2つだけだった。アプリ探しに時間を使うより、いちばん面倒な一歩(記録すること)をゼロにする設計を考えたほうが早い。
子どもの「今だけの顔」は、お金では取り戻せない。FIREを目指して資産を積む話とは真逆に見えるけれど、戻ってこないものに先回りして手を打つという意味では、自分の中では同じ動機からきている。