僕がジムに行けるのは、週に1回だ。子どもが2人いて、通勤があって、自分の時間はいつも足りない。「週3で分割法」みたいな正攻法は、今の生活には入らない。
これまで健康データを眺める話、行動に変える話を書いてきた。今回はさらにその先——メニューの中身そのものを、AIと会話しながら作り直した話だ。汎用的な筋トレ論はネットに溢れているが、この体験はそれとはだいぶ違った。一連の流れをそのまま書く。
「私の健康状態の分析をして」から始まった
ある日、Apple Healthのデータを取り込むついでに、Claudeにこう聞いた。「私の健康状態の分析をしてくれる?」
返ってきたのは一般論ではなく、僕の3年分の実数だった。体重は77kg台から73.8kgまで、3年で8kg以上減。体脂肪率は19%台から15〜17%へ。血圧は正常域に下がり、復職後に跳ね上がっていた安静時心拍も育休中のベスト水準まで戻ってきている。全部、自分の数字だ。
そこで長年ぼんやり抱えていた疑問をぶつけた。「体脂肪ってどのくらいまで落とせばいいと思う? 体型的にはまだまだ痩せた方がいいと思ってるんだけど」
数字は「もう痩せなくていい」と言っていた
Claudeはまず、僕の身長をデータから引いてきて計算した。BMIは21.6。健康域のど真ん中どころか、むしろ痩せ寄り。そして、こう続けた。
「体型的にまだまだ痩せた方がいい」は体感であって、数字はそう言っていません。大きく減量してきた人ほど「まだ足りない」と感じる——のはよくある認知のズレです。
これは刺さった。8kg落とした本人には「もっと」の慣性がついている。それを、僕自身のデータを根拠に止めてくれた。体脂肪も男性なら15〜17%は既にフィットネス帯で、健康メリットは12〜14%で頭打ち。つまり——
次のレバーは「脂肪を減らす」ではなく「筋肉を増やす」。 体重は据え置きで、中身を入れ替える。いわゆる**リコンプ(体組成の再構成)**だ。
今のメニューを見せたら「維持ゾーン」と診断された
じゃあ筋トレの中身はどうか。僕がジムでやっていた6種目(レッグプレス、チェストプレス、シーテッドロー、ラットプルダウン、体幹2種)を見せると、「全身をカバーできていて土台は◎」。ただし、実施内容——10回×2セット、週1回——を伝えると、判定は明快だった。
1つの筋肉あたり週2セット。筋肉を「増やす」ラインの半分以下=維持ゾーンです。悪いわけではなく、今ある筋肉をキープしている状態。
ここで良かったのは、「週3にしましょう」と言わなかったことだ。週1は子ども2人の生活にフィットした現実解だと認めた上で、「週1のまま、1回を濃くする」方向で組み直してくれた。
- 主要種目を2セット→3セットに
- 各セット「あと1〜2回が限界」まで追い込む(余力を残すと筋持久力トレになる)
- 穴だった**もも裏(レッグカール)と肩(ショルダープレス)**を追加
- 減量中に筋肉を守る主役としてタンパク質120〜150g/日
「部分痩せは存在しない、男はお腹の脂肪が最後に落ちる」という不都合な事実も、ここでちゃんと言われた。腹筋を鍛えてもお腹の脂肪は直接は燃えない。凹ませたいなら、筋肉を守りながらの小さな減量——まさにリコンプの中身だ。
できあがったのが、このカード
「やってみようかな」と言ったら、ジムでスマホからそのまま見られるルーティンカードを作ってくれた。実物をここに置いておく。
一番上に「効かせる3原則」、その下に8種目をやる順番で。ブログに置いたことで、ジムのマシンの前で迷ったらこのページを開けばいい。
一般論ではなく「自分の数字」で会話できるということ
この一連の流れで感じた違いを整理しておく。
土台がデータにある。 「体脂肪は何%がいいか」への答えが、僕の身長・体重・3年分の推移から計算されて返ってくる。ネット記事の「男性は15%を目指そう」とは説得力が違う。
認知のズレを指摘してくれる。 「まだ痩せたい」という体感に対して、数字を根拠に「それは認知のズレの可能性が高い」と言われる体験は、検索では起きない。検索は「痩せたい人向けの記事」を出してくるだけだ。
生活の制約を前提に置いてくれる。 週1しか行けないと言えば、週1を責めずに週1の最適解を組む。理想論と現実のあいだで挫折するパターンを、最初から避けられる。
そして最後はカードという「使える形」になって手元に残る。分析→対話→意思決定→成果物まで、ぜんぶ同じ会話の中で進んだ。
まずはこのメニューで数回まわしてみる。慣れてきたら、週次トレーニングプランの自動生成にジム枠として組み込むつもりだ。数ヶ月後、体重計がほとんど動かないままお腹だけ締まっていたら、リコンプは成功ということになる。続報はまた書く。